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スキルス胃がんとは
スキルス胃がんは「skirrhos」というギリシャ語で「硬い腫瘍」を意味する言葉に由来し、胃がんの約10%を占めると言われています。
胃の粘膜表面から発生する通常の胃がんと違い、胃壁の内部を這うように病巣が広がっていきます。そのためスキルス胃がんは発見がしにくく、発見されたときは既に進行がんであることがほとんどです。60%以上の患者さんに転移が見られます。胃壁の内部を伸展するだけでなく増殖も速いので、内視鏡検査でも早期発見が容易ではありません。内視鏡検査技術が進化し、ほとんどの胃がんは今や早期発見できる時代なのに、スキルス胃がんだけは進行がんの状態で診断されることが多いです。スキルス胃がんに対して免疫療法や遺伝子治療などの新たな治療法の期待が高まっています。しかし、早期発見が困難なため、定期的な内視鏡検査が重要であり、技術の進化により早期診断の実現を目指しています。
別名、4型胃がんといいます。
4型胃がんは胃の粘膜を這うように周囲に不規則に広がるがんのことです。
スキルス胃がんの原因
原因ははっきりとはわかっていません。
一般的な胃がんと同様に複数の要因が関与していると考えられています。
一般的な胃がんになりやすい原因は?
胃がんは、
- ピロリ菌の感染
- 喫煙、飲酒の習慣
- 塩分の摂りすぎ
- 野菜の不足
- 遺伝的要因
などが
なりやすい(発症しやすい)といわれています。
一般的な胃がんは男性が多いですが、スキルス胃がんは女性が多いです。
生命予後は5年生存率が0~9.5%と極めて不良です。
スキルス胃がんには男女差があります!
スキルス胃がんには男女差があります。一般的に、男性の方が女性よりもスキルス胃がんの発症率が高いとされています。この傾向は胃がん全体においても顕著で、日本国内でも男性の方が胃がんにかかる確率が高いことが報告されています。
スキルス胃がんの症状
- 食欲不振
- 体重減少
- 下痢
- 胸やけ
- 消化不良
などが挙げられます。
病状が進むと、
- 嘔吐
- 吐血
- 下血
- タール便
- 腹水
などの症状が現れてきます。
症状が発生してからスキルス胃がんが発見された場合は、その多くの場合が腹膜播種など多臓器への転移が発生しており残念ながら根治的治療が確立されていない状況です。
スキルス胃がんの検査
胃内視鏡検査、腹部エコー検査、CT検査、MRI検査などが用いられます。
胃内視鏡検査では、
- 胃粘膜のひだが肥厚している
- 胃の壁が硬い
- 空気を送っても胃の膨らみが悪い(胃が硬い)
などの所見が得られます。
大きくなると対処が難しいスキルス胃がんも、2cm以内の早期がんの段階で見つかれば内視鏡で治療が可能です。
スキルス胃がんの治療
手術と化学療法です。
スキルス胃がんは進行が早く、早期発見が難しいことから、診断される際には既に進行がんの状態であることが多いです。
がんの成長を遅らせ、症状の緩和や延命を図ることが主な治療目標となります。
治療方針は患者の年齢や体力、病期、転移の有無などによって異なります。まずは早期発見できるように定期的な胃カメラ検査を心がけ、見つかった場合には高度医療機関と連携をとりながら治療を進めていきましょう。
最新の治療法として、免疫療法や遺伝子治療などの新しい治療法が期待されています。これらの治療法は免疫系を活性化させてがん細胞を攻撃することや、がん細胞に特異的な遺伝子を標的にした治療などが含まれます。
最後に
有効な予防法は確立されていません。ただし、一般の胃がんに対する予防法と同様に、刺激物を避ける、塩分を摂り過ぎない、暴飲暴食をしない、飲酒を控える、禁煙する、ストレスをためない、ピロリ菌は除去する、定期的に(1年に1回)胃内視鏡検査を受ける、などは非常に大切です。